価値ある人生を創る(第26号 2002年9月)

十数年前のこと。米国から招いた心理学の教授から、「価値ある人生を創る秘訣は、責任を取ることです」と伺いました。「責任とは、AccountabilityとResponsibilityだ」と言われるのですが、私には意味が飲み込めません。以下は、その時、交わされた教授と私の問答の模様です。

教授:貴方は現在、どんな問題を抱えていますか?
私 :そうですね…、ミスの多い職員が居て困っています。いつも、もっと注意するように叱るのですが、彼は一向に変わらないんです。
教授:叱っても、効果がないのですね?もっと他に、貴方にできることはありませんでしたか?
私 :エ?私にできること? どんなことです?
教授:考えてください。
私 :エート…、チェックリストを作らせるとか?…。他にも、土壇場になって慌てなくて良いように、進捗管理をさせるとか、でしょうか…。
教授:そんな風にすると、彼のミスは減るのですね?では「彼にミスが多いのは、私が~してこなかった結果です」と言ってください。
私 :エッ? 何故、私が責められるんですか!
教授:いいえ。現状が、所長たる貴方の行動の結果として説明(account)できると認めるだけです。
私 :確かに…。所長として、私ができることを十分行なってこなかった、その結果です。
教授:素晴らしい! 現状を自分の行為の結果として引き受けること!それがaccountabilityです。では彼に対して、今後どう対応します?
私 :そうですね。所長として、彼にチェックリストによるチェックと進捗管理を徹底させます。
教授:ok。貴方は、果たすべきことに応える(respond)のですね。それがresponsibilityです。どうです?責任を取ることによって、貴方の人生に、素敵な変化が起きませんか?

彼や彼女、あるいは「不況」のせいにしていては、「周囲」が変わらない限り、問題は解決しません。それでは「他人任せの人生」になってしまいます。

変化を望むなら、現状を自分の行為の結果と捉え、主体的に行動を起こすこと。このように「責任を取る」ことが、「価値ある人生を創る」ことになる。これが教授の伝えたかったことだと思います。

「経営」に関しても、「人生」と同じことが言えるのではないでしょうか。「不況」などの周囲の環境にめげず、可能性に向かって前進したいと思います。

(所長 林 光行)

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