山一證券のインターネットのホームページには
「本年9月30日現在の当社公表株主資本4,314億円につき、現時点では約2,648億円の下方修正を加える必要が生じました」
と書いてあります。「公表」
は中間決算の記者発表を指しているのでしょう。では会計士が「適正に表示している」と御墨付きを与えた本年3月末株主資本4,434億円についてはどうでしょうか。新聞報道を鵜呑みにするのは危険ですが、これにも修正が必要なようで、一部には粉飾決算の可能性も取り沙汰されているようです。もし粉飾であったとしたら-勿論これは仮定の話ですが-普通の論理では、担当会計士には監査の能力が無かったか、あるいは虚偽の監査報告をしたかの何れかである、と考えられるのではないでしょうか。
さて、最近「アカウンタビリティ」という言葉を新聞紙上等で見かけます。「説明義務」と訳されていますが、多くの英和辞典には「責任」と書かれています。語源的にはcount(数える)にacが付いてaccount(計算。資金などをどう使ったかを説明する)。会計士はaccountantで、会計はaccounting(そもそも会計の目的は出資者に対して、預ったお金を斯く斯く然々使った結果こうなりました、と説明することです)。更にableが付いてaccountable(説明すべき立場にある)からaccountabilityが生じます。従ってこの言葉の本義は、生じた結果に対して「私が~という行為を行ったためにこうなった」と認めて説明することです。「知らなかった」、あるいは単に「私の所為ではない」と釈明するのはaccountabilityの放棄です。
はてさて、もし山一證券が粉飾をしていたとしたら、担当のaccountant(会計士)はどのようにaccountability(責任)を果たすのでしょうか。私も一人の会計士として、固唾を呑んで見守っています。
