企業には独自の目標なり目的があると思われます。ある企業は経営者個人の金儲けのためにあるのかもしれませんし、ある企業は「良い商品を提供し、社会に役立つ存在でありたい」という経営者の生き様としてあるのかもしれません。松下幸之助の水道哲学のように明確ではないにせよ、企業はー定の目的があって始めて存在している筈です。
他方、企業に働く従業員は各々自分が幸福になるために、今を生きているのだと思います。“幸福”の中身は“肉体の健康”であったり“経済的豊かさ”であったり、あるいは“精神的充実感”であったり、その具体的内容は人によって様々でしょうが、すべての人が各々の“幸福”観のもと、―歩でもそこに近づくために生きているのだと思います。それが個人目標です。
私が思いますのは、創業者を別にして、もともと企業目的と個人目標は異なるものなのだということです。従業員に「会社のためにもっと働け!」と言われる経営者も居られるのですが、殆どの従業員は自分の幸福のために、今その会社で働くことが都合が良いからそうしているのであって、決して 「会社ために生きている」訳ではありません。会計事務所の経営者としての私は、寂しい気もしますが、このことは事実として受け入れようと思います。
しかし、従業員とともに企業目的・経営理念・経営ビジョンを確立すること、経営計画に個人目標を導入することなどにより、企業目的と個人目標を統合することは可能です。そうなれば、従業員は“仕事”を自分のこととして捉え、自発的に最大の能力を発揮して働くでしょうし、企業目的も効果的に達成されるでしょう。これは経営者と従業員が共通の目的を協力して達成する企業の実現を意味します。それを思うと私には「よし! やろう!」という気が沸いてくるのです。
