平成22年度税制改正大綱が発表されました。

政府税調は、去る平成21年12月22日付「平成22年度税制改正大綱」を公表しました。税制改正大綱とは、税制改正法案の作成に先立って、見直しが必要な項目や課題についてとりまとめた文書のことで、従前は、与党税調と政府税調の二段構えで大綱が作成されていました。民主党政権では、従前の税制調査会とは趣を異にして、政府の責任の下で税制改正の議論を行うために、政治家から構成される「税制調査会」が政府に新しく設置されました。以下、抜粋です。

(税理士 林 竜弘)

≪個人所得課税≫

  • 「所得控除から手当へ」等の観点から、子ども手当の創設とあいまって、年少扶養親族(0歳~15歳)に対する扶養控除(38万円)を廃止する。
  • 高校の実質無償化に伴い、16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)を廃止する(扶養控除38万円部分は継続)。
  • 個人住民税については、所得税と同様に、年少扶養親族(0歳~15歳)に対する扶養控除(33万円)及び16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(12万円)を廃止する。

≪法人課税≫

  • 100%グループ内の内国法人間での資産の移転による譲渡損益の計上を繰り延べることとする等資本に関係する取引等に係る税制の整備を行う。
  • いわゆる「一人オーナー会社課税制度」(特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度)は廃止する。
    なお、いわゆるオーナー給与に係る課税のあり方について、個人事業主との課税の不均衡を是正し、「二重控除」の問題を解消するための抜本的措置を平成23年度改正で講じる。

≪資産課税≫

  • 昨年創設された500万円までの住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置について、所得制限(2,000万円)を付し、非課税限度額を、平成22年は1,500万円、平成23年は1,000万円に引き上げる。

≪市民公益税制(寄附税制など)≫

  • 認定NPO法人制度について、認定手続と申請書類等の簡素化を行う。
  • 所得税の寄附金控除の適用下限額を2千円(現行5千円)に引き下げる。

≪消費課税≫

  • 昨年延長されたガソリン税等の10年間の暫定税率は廃止するが、原油価格の推移や地球温暖化対策との関係に留意して、当分の間、現在の税率水準を維持する。
  • 自動車重量税については、グリーン化を行いながら、暫定税率による上乗せ分の国分の約2分の1に相当する規模の税負担の軽減を行う。
  • たばこ税について、1本あたり3.5円(国・地方それぞれ1.75円)の税率引上げ(価格上昇は1本あたり5円程度の見込み)を行う。

上記のほか、今後の改革の方向性として、納税環境の整備の為に、更正の請求期限(現行1年)の延長、国税不服審判所の改革、納税者番号制度(国税、年金・健康保険料で統一)の導入、歳入庁(国税庁・社保庁を併せたもの)の設置、罰則の適正化などが盛り込まれています。大綱では「公平・透明・納得」の三原則が示されていますが、納税者の立場に立った税制を実現して頂きたいものです。

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